総監督 川嶋 伸次

Next Stage 更に上の世界へ

創価大学駅伝部総監督就任に至る経緯をお聞かせください。

榎木くんとは長い付き合いで、旭化成時代に共に鍛錬の日々を送りました。
今回4月1日(2024年)に総監督として就任しましたが、5、6年前から週1回くらい、練習を見に来て指導をしたり、選手たちと関わってきました。
榎木くんが創価大学駅伝部の監督に就任し、2年目の箱根駅伝では往路優勝・総合2位と、とても早く結果を出しました。そして選手たちの目標が上がってくると、箱根の更に上の世界へ連れていくという目標が見えてくる。それを一緒に見てくれないかというお話がありました。
今年度のスローガンでもある、Next Stage。創価大学駅伝部がその段階に入ったのだ。と感じ、旭化成でコーチをしていましたが、私の中で創価大学に来ることを決断しました。

この数年の創価大学駅伝部をどのように見ていましたか?

ここ数年連続シード権を取り、2年目で総合2位まで行きました。榎木くんの指導力と区間配置が絶妙なものがあるなと。そして、すごく潤沢でいい戦力がたくさん集まっているというチームではないのだけども、選手がコツコツ真面目に走り、指導陣がじっくり丁寧に育て、実を結んだという印象があります。
元々榎木くんは丁寧な指導をする監督なので、そこが生きたのだと思いました。

川嶋総監督と榎木監督のお二人は旭化成のチームメイトですが、どのようなご関係だったのですか?

当時旭化成はとても強いチームだったので、練習でもライバルとの戦いが激しかった。
当時私は全盛期で、チームのエースを張っていました。そこに榎木くんが新人として入ってきたのです。榎木くんは箱根駅伝で大活躍していたのですが、入社当初なかなか歯車が回らず、折あるごとにたくさん話をしました。
彼に創価大学駅伝部の監督の話があった時、彼は少し迷っていたのですが、僕は「学生はまだまだ成長過程で吸収力がある。最初から100%を求めるのではなく、やっていくなかで自分自身も生徒達と一緒に成長しようと楽しんでいけばいいのではないか」と話しました。
彼は、指導が非常に丁寧です。4年間じっくり成長過程の大学生を指導したほうが、結果が全ての実業団より絶対に能力を発揮できると思っていたのです。

創価大学駅伝部の選手の印象はいかがですか?

5.6年前は他のチームと比べて優しくて真面目、そしていい子が多い印象がありました。そこからだいぶ力をつけてきたので、ここ最近は戦う集団・戦える集団というふうに変わってきて、非常に嬉しく感じています。

どのようなチームづくりを目指しますか。

榎木監督を中心に、そのサポートをしていこうと思っています。箱根だけではなく更にその先を目指して強化・育成をしていきます。いよいよチームがそのステージに入ったと思いますね。常に安定して上位に入るチームを目指したいです。

一番大事にしている「言葉」

これまでの指導経験において、指導方針や大事にされていることを是非お聞かせてください。

これはただ一つ、【言葉】です。どうしたら選手たちが上を目指して頑張れるか、気づけるか。そのための言葉を選び、タイミングを考え、とても大事にしています。

4名の指導陣の雰囲気がとても和やかでいいですね。

ヘッドコーチの久保田くんは東洋大学時代の教え子です。彼は3年生で、とても厳しく育てました。(笑)向こうはやりにくいと思いますが、こっちはやりやすいですね(笑)

川嶋総監督は陸上競技をいつから始めたのですか?

中学時代、柔道部だったのですが、走る練習がありました。そんな時、陸上部から駅伝の人数が足りないからと駆り出されたのです。そしたら早くて街の区間賞を取りました。その時に勧められ、陸上部にも入りました。高校から本格的に陸上を始ました。

これから駅伝部を目指す高校生やその親御さんに向けて、一言メッセージをお願いします。

創価大学駅伝部のいいところは丁寧な指導だと思います。そこに更に上の、レベルの高い指導を入れていこうと思います。

【経歴】
日本体育大学在学中の89年に箱根駅伝復路6区の山下りで区間賞を獲得。
大学卒業後、旭化成に入社。
2000年のシドニー五輪男子マラソン代表となる。01年に現役引退。
02年から08年まで東洋大学陸上競技部監督を務める。
09年から24年3月まで旭化成陸上部コーチ。24年4月より現職。