榎木 和貴

榎木 和貴

中央大学卒業。箱根駅伝では4年連続区間賞を獲得。
3年次では14回目の総合優勝に貢献。
旭化成工業株式会社入社。第49回別府大分毎日マラソンで優勝。2004年OKI陸上競技部コーチに就任。
トヨタ紡織陸上競技部コーチ、監督を経て、2019年に創価大学陸上競技部駅伝部監督就任。

トップクラスの大学、実業団で走った陸上人生に感謝

 

──榎木監督が陸上競技を始めたのは、いつ頃からですか。

元々は小学校のときに剣道をしていて、体力づくりのために走っていました。校内マラソンで優勝したりするなかで陸上に興味を持ち、中学校から本格的に始めました。中学校でも全国大会に出場したことから、伝統校である宮崎県立小林高校に進学し、3年連続高校駅伝に出場することができました。多くの大学からスカウトされましたが、高校の恩師の出身校である中央大学を選び、先生が走った箱根を走ろうと進学しました。

──中央大学では、4年連続区間賞を獲得し、さらに3年次で総合優勝をしています。さぞ厳しい練習を続けたのでしょうか。

3年生までは順風満帆だったものの、そのあとはケガや貧血による不調が続き、練習ができなくなりました。4年生の駅伝を間近に「走れる自信がないので、メンバーから外して欲しい」と監督にお願いをすると、「チームのキャプテンでもあり、お前あってのチームだ」と言われ、本番まで1ヶ月という時期になんとか調整し、走れる状態まで持っていきました。本番当日は風の強い日でしたが、4年連続区間賞がかかっていたため、テレビ中継車がわたしの前を走って、風よけになってくれたという運の良さもあり、区間賞を取ることができました。

──大学卒業後は旭化成に入社されています。学生と社会人との大きな違いはなんですか。

当時、旭化成は日本でいちばん強い実業団だったので、大学の実績だけで太刀打ちできるような甘いものではありませんでした。走っても、走っても強い選手がいてトップになれないと悩んだことも事実です。それでも日本一のチームで競技をできたことは、有難かったですね。2000年の別府大分毎日マラソンで優勝しましたが、周りは2時間7分、8分台の強い選手やオリンピック選手がいました。当時の宗監督からは「1回優勝して満足するな、もっと上を目指せ!」と言われたことを覚えています。

学生の純粋な思いに応え、駅伝部を立て直したい

 

──そして2004年から指導者としての活動し、本年20192月に創価大学陸上競技部駅伝部の監督に就任しましたが、その経緯を教えてください。

以前から2019年の1月末にトヨタ紡織を退職し、2月から地元の宮崎に帰って、スポーツスクールやイベント事業を行う兄の仕事を手伝うつもりでした。前年の11月に創価大学関係者に初めてお会いして「指導体制を見直して、あらためて箱根を目指したいと考えている」とお話があり、12月に正式に監督就任要請がありました。お話を受ける気持ちは全くなかったのですが、周囲の方に相談に乗っていただくなかで、大学駅伝チームの監督として、勉強し経験を重ねることも大事だと気づき、お受けすることにしたのです。

──監督を受ける決め手になったのは、どんなことだったのですか。

駅伝部の神立部長と話をしたときに、「なんとしても創価大学の駅伝部を立て直したい」という強い思いを感じるとともに、久保田コーチやアドバイザーの川嶋さんからも「なんとか力を貸してくれないか」と言われました。わたし自身、未熟な部分はありますが、挑戦することもひとつの道だと思えるようになったのです。神立部長とは、その後ケニアにスカウトに一緒に行ったのですが、2週間、生活を共にしながら、創価大学の考えや創立者の思想などを丁寧に教えていただき、わたしも深く共感することができました。

──21日に出発式を行っていますが、創価大学駅伝部の印象はいかがでしたか。

ここ2年間、箱根駅伝を逃しているということで、チーム状況は聞いていました。まず2月時点でケガ人が多く、30人の部員のうち3分の2がなんらかの故障をしていましたね。セルフケアが徹底されていないことと、ケガをした場合の復帰プランのシステムが確立されていなかったことが原因です。走れないときは、それなりのトレーニングが必要で、練習開始後1ヶ月経った頃には、3分の2のメンバーが走れるようになりました。

一方で、選手一人ひとりと話していると、「新しい監督のもとで変わりたい、箱根に行きたい」という思いが伝わってきました。私の発する一つひとつの言葉に対して、目を輝かせ熱心にメモを取っていました。練習に入ると、こちらの声掛けを真剣に受け止め、わからないことがあれば率直に尋ねてきます。そのような選手の純粋な思いに応えたいとわたしも思いました。

最高の環境をいただき、必ず結果を出していきたい

 

 ──選手にとっては高校駅伝を3年間走り、4年間箱根を走った監督への期待感はさぞかし大きいでしょうね。

わたし自身は過去の実績なので、気にはしていません。最初に「これまでのやり方と大きく変わることもあるかもしれないけれど、受け入れてやってほしい」というお願いはしました。同時に「その結果については、わたしが全責任を負う」と伝えたので、選手も練習にしっかり取り組んでいます。

──10月の予選会への意気込みはいかがでしょうか。

昨年の予選会の結果を見て、後半のペースの落ち込みが明確な課題になっています。具体的には、これまで1ヶ月間の走る距離が少なかった。予選会では21kmのハーフマラソンの距離を走るのですが、まず練習量が足りません。その意識を変えることから取り組み、徐々に走る距離が伸びてきているので、10月の予選会はいけるはずだと伝えています。わたしが走れと言うのではなく、足りない部分は自分たちで補うという雰囲気ができていることもうれしいですね。

──駅伝部を目指す高校生やその親御さんに向けて、監督からメッセージをお願いします。

創価大学の駅伝部を通して人間形成ができれば、わたしも満足です。箱根駅伝は全員が走れるわけではありません。しかし、同じチームにいて箱根を目指すことに価値があります。そこでわたしが培った指導スキルを役立てながら、人として一緒に成長したいと思っています。

創価大学は素晴らしい環境を持っています。整備された寮や提供される食事、練習に集中できるグラウンド。起伏のある地形は、普通に走っているだけで筋力が鍛えられます。最高の環境と大学の手厚いサポートがあり、結果が出ないわけがありません。これからは選手たちとともに、しっかり結果を出していきたいと思います!

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